同じキーワードを3回書きたくなる癖をやめた話

Web制作でページの文章を書いていると、ブランド名や狙っているキーワードを、つい1ページのなかで3回くらい入れたくなる——そんな癖が長いことありました。今日はその気持ちをやめてみた話を書きたいと思います。
サイトの原稿を書く仕事をしていると、検索で見つけてもらうために「このキーワードを本文にしっかり入れておかなきゃ」という意識がはたらきます。とくにブランド名や、そのページで一番拾いたい言葉は、見出しにも入れて、リードにも入れて、本文の途中でももう一度——と、気づけば1ページのなかに同じ言葉を何度も置いていました。
なぜ同じキーワードを何度も入れたくなったのか
もとをたどると、昔のSEO(検索エンジン最適化)のやり方が頭に残っていたんだと思います。「ページのなかにキーワードがたくさん入っているほど、検索で上に出やすい」——そんなふうに言われていた時期があって、文章の自然さよりも、まずキーワードの数を確保することを優先していました。
※「SEO」とは、検索エンジンで自分のページを見つけてもらいやすくするための工夫のことです。
だから原稿を書きながら、心のどこかで指折り数えていたんです。「この言葉、まだ1回しか出てきてないな」「あと2回くらい入れたいな」と。文章を書いているというより、ノルマを埋めているような感覚でした。
詰め込んだ文章は、読む人にもうまく届かない
あるとき、書き上げた原稿を声に出して読み返してみて、ちょっと気持ちが沈みました。同じ言葉が近いところに何度も出てくると、文章がぎこちなくなるんです。「○○の××は、○○ならではの○○として……」みたいに、人が普通に話すときには絶対にしない言い回しになっていて、読んでいて引っかかる。
検索のために入れたはずのキーワードが、肝心の読む人にとっては読みにくさの原因になっていた。これはちょっと、本末転倒だなと思いました。それに今の検索エンジンは、同じ言葉が何度並んでいるかを単純に数えているわけではなくて、文章全体が何について書かれているかを読み取ってくれます。無理に詰め込まなくても、ちゃんと伝わる中身があれば届く——そう考えると、数を数えていた時間がもったいなく感じました。
今は置き場所を決めて、あとは自然に書く
そこで、キーワードを何回入れるかを数えるのはやめました。代わりに「ここに置けば十分」という置き場所をいくつか決めて、あとは普通に、人に話すように書くようにしています。
こうやって置き場所を先に決めておくと、本文を書いているあいだは言葉の数を気にしなくてよくなります。気にするのは「この一文、読む人にちゃんと届くかな」だけ。書き上がった文章を読み返したときの、あのぎこちなさがずいぶん減りました。
同じところで手が止まっている人へ
もし今、原稿を書きながら「この言葉、あと何回入れよう」と指折り数えている人がいたら、一度その数えるのをやめてみるのもいいかもしれません。置き場所さえ決めておけば、あとは読む人のことだけを考えて書ける。そのほうが文章は素直になるし、書いていて気持ちも軽くなります。
もちろん、これが唯一の正解というわけではないと思います。ただ、昔のやり方をなんとなく続けて手が止まっていた自分には、置き場所を決めるという考え方がしっくりきました。同じことで迷っている人の、ちょっとした参考になればうれしいです。