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1回の購入から2人に紹介料が入る仕組みを組んだ話

EC案件で「1回のお買い物から、加盟事業者さんと協会さんの両方に、それぞれ別の割合で紹介料が自動で入るようにしたい」というお題を受けました。Shopifyに GoAffPro を組み合わせて、この二重紹介料の仕組みを実際に組み込んだ話を書きます。

やりたかったこと

クライアントさんの事業は「協会 > 加盟事業者 > エンドユーザー」の3層構造になっていて、協会がECサイトを運営、加盟事業者さんがエンドユーザーに商品を紹介する立場、という関係でした。

お題は次のようなものです。

加盟事業者さん経由:加盟事業者のリンクから購入があったら、加盟事業者に売上の10%を紹介料としてお渡ししたい
協会にも自動で:同じ購入から、協会にも5%が紹介料として自動で振り分けられてほしい
1購入から自動計算:CSVを引っ張って手作業で集計、みたいな運用は避けたい

GoAffProのMulti Level機能で組む

Shopify向けのアフィリエイト管理アプリ「GoAffPro」に、この二重紹介料をそのまま実現できる機能があります。Multi Level(マルチレベル)と呼ばれる機能で、「加盟事業者を子アフィリエイト、協会を親アフィリエイトとして登録し、購入があったら子と親の両方に自動で紹介料を配分する」ことができます。

※「アフィリエイト」とは、紹介経由で購入が発生したときに、紹介者に売上の一部を紹介料としてお渡しする仕組みのこと。

※「Multi Level」とは、階層的な紹介の仕組みのこと。ここでは「協会が親、加盟事業者が子」という2階層だけを使っている。多段階に増やしていくと、いわゆる連鎖販売取引に近づくため、階層は1段だけに絞った。

設定の流れ

Premiumプラン
アップグレード
Multi Level
1段階に設定
親アフィリ
個別トグルON
子アフィリ
ref登録
テスト購入
で実証

つまずき①:Disabled by default 環境では親個別にトグルが要る

GoAffProのMulti Level機能には、多階層化の予防のために「Disabled by default(初期設定は無効)」というモードが用意されています。これがなかなかクセ者でした。

全体設定でMulti Levelを有効にすれば、それだけで親にも自動で紹介料が入る、と最初は思い込んでいました。実際に動かしてみたら、親アフィリエイト(協会)側には何も入らない。「あれ、動いていない?」と設定を見直したら、Disabled by default 環境では親アフィリエイトごとに個別にMLMトグルをONにしないと、その親には紹介料が配分されないという仕様に気づきました。

親アフィリエイトの管理画面から、協会のアカウントに対してMLM機能のトグルを個別にONにしたところで、ようやく想定通りの動きになりました。全体設定=有効、個別設定=各アフィリエイトのお財布ごとにON/OFF、という2段階の構造だったんですね。

過去のメモに助けられた話

本番セットアップの2ヶ月ほど前、この案件でGoAffProを触り始めた時期に、Claudeと一緒に「MLM Level = 親(協会)の報酬 / Direct(Commissions)= 子(加盟事業者)の報酬」という概念整理をやって、メモに残していました。

この時点では「へえ、そういう区分けか」くらいの理解だったのですが、本番セットアップ中に配分の割合を設定していると、この「MLM Level」と「Direct」の区別が本当にややこしくて、うっかりすると加盟事業者に5%、協会に10%という設定にしてしまいそうになる場面がありました。

そこで過去のメモを引っ張り出して確認したら、自分でちゃんと「MLM Level 1 = 親(協会)」「Direct = 子(加盟事業者)」と整理していたことが判明。おかげで報酬構造の逆転を本番前に防げました。過去にメモを残しておいてよかった、と実感した瞬間でした。

本番実証:1購入から2人に自動で振り分けられた

設定が終わったら、Shopifyの「Bogus Gateway」を使って、本物の購入と同じ流れでテスト注文を通してみました。

※「Bogus Gateway」とは、Shopifyが用意しているテスト用の疑似決済モジュール。本物のカード決済は走らないけれど、注文の作成・クーポン適用・アフィリエイト紐付けなど、注文まわりの動きは本番と同じように再現できる。

結果は次の通り。

¥468
加盟事業者への紹介料
Direct分
¥234
協会への紹介料
MLM Level 1
15%
クーポン自動適用
紹介経由の特典

1回の購入から、加盟事業者と協会の両方に、それぞれ別の割合で紹介料が自動で計上されました。当初は「もし自動で難しかったらCSV手動集計で運用する」というプランBを立てていたのですが、それを回避して自動化に着地できたのが一番の成果でした。

登録ゲートも忘れずに

もう一つ、地味だけど大事な設定が「Allow registrations from affiliate page」というトグルです。これはアフィリエイト登録ページから、誰でも自由にアフィリエイトとして登録できるかの全体ON/OFFで、OFFにすると協会リンク経由の登録も含めて全ブロックされます。

今回はグローバルOFFにして、協会のQRコードを協会会員限定で配布する運用にしました。会員以外は登録ページに辿り着けない設計です。全体設定と個別設定のどちらで担保するかは案件ごとに考えないといけないところで、二重紹介料の設計とセットで見直す必要があると学びました。

学び

GoAffProのMulti Levelで二重紹介料は組める:ただしDisabled by default環境では、親アフィリエイトごとに個別のMLMトグルONが必須
「MLM Level = 親の報酬」の概念整理は最初にやっておく:これを間違えると本番で報酬構造が逆転する
Bogus Gatewayでの本番実証は必ずやる:設定画面が意図通りでも、実際の購入の流れで動くかは別問題
過去のメモは未来の自分を助ける:本番前に見返せる場所に残しておくと、うっかりを防げる

同じような「協会と加盟事業者にそれぞれ紹介料を渡したい」EC案件を進めている方の参考になればうれしいです。