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音楽ファイルからベースのタブ譜をAIで自動生成する方法を試してみた

(更新: 2026.04.10)

ベースを弾いていると「この曲のベースライン、タブ譜があれば助かるのに…」と思うこと、ありませんか? YouTubeに演奏してみた動画がある曲ならまだいいんですが、マイナーな曲やアレンジ違いだと、なかなかタブ譜が見つからないんですよね。

そこで今回、音楽ファイルからベースパートだけをAIで抜き出して、タブ譜(MIDI)に自動変換できるかを試してみました。使ったツールはすべて無料です。

こんな課題を解決したかった

耳コピは楽しいけれど、時間がかかる。特に速いフレーズや複雑なラインだと、何度も巻き戻して聴き直す作業が大変です。「AIの力を借りて、せめてベースラインの骨格だけでも自動で拾えないか?」というのが今回の出発点でした。

使ったツールと全体のワークフロー

今回使ったのは、以下の4つのツール(+録音用1つ)です。

1. 音源の準備

System Audio Recorderを使って、PC上で再生している音をそのまま録音しました。もちろん、手持ちのmp3やwavファイルがあればそれでもOKです。

2. ベースパートの分離

ここがAIの出番です。2つの選択肢を試しました。

Demucs(Meta開発)は、音源分離に特化したAIモデルです。ボーカル・ドラム・ベース・その他の4パートに分離してくれます。Pythonの環境が必要ですが、精度はかなり高いです。

※ Demucsとは、Meta(旧Facebook)が開発したオープンソースの音源分離AI。ディープラーニングを使って、混ざった音源から各楽器パートを個別に取り出せる技術です。

LALAL.AIは、ブラウザだけで音源分離ができるWebサービスです。無料枠で10分まで使えるので、Python環境がない方にはこちらがおすすめ。

※Python環境とは:Pythonというプログラミング言語をパソコンで動かせる状態のこと。Demucsなどのツールを使うにはこの環境構築が必要ですが、プログラミングに馴染みがないと少しハードルが高いです。

3. MIDIへの変換

Basic Pitch(Spotify開発)を使って、分離したベース音源をMIDIデータに変換しました。ブラウザ版があるので、こちらもインストール不要で手軽に試せます。

※ Basic Pitchとは、Spotifyが開発した音声からMIDI変換AI。音のピッチ(高さ)を検出して、MIDIノートとして出力してくれるツールです。

4. タブ譜として表示・編集

MuseScore 4でMIDIファイルを読み込むと、タブ譜として表示できます。ここから手動で修正したり、PDF出力したりできます。

※ MuseScore 4とは、無料で使えるオープンソースの楽譜作成ソフト。MIDIの読み込み、タブ譜表示、PDF出力など多機能です。

実際にやってみた感想

正直に言うと、完璧なタブ譜が自動で出てくるわけではありません。Basic Pitchで変換した段階では、なかなか解読が難しい状態になることもあります。

特に以下のような要素は自動検出が難しいと感じました。

  • ゴーストノート(ミュートしながら弾くパーカッシブな音)
  • スライドやハンマリング・プリングなどの装飾音
  • ミュート音や微妙なニュアンス

ただ、ベースは基本的に単音が多い楽器なので、ギターやピアノよりは精度が出やすいという印象です。耳コピの「たたき台」としては十分に使えると感じました。ゼロから耳で拾うのと、ある程度の骨格がある状態から修正していくのとでは、作業効率がまったく違います。

Python不要でやりたい場合のルート

「Pythonの環境構築はちょっと…」という方でも大丈夫です。以下のルートなら、MuseScore 4だけインストールすれば完結します。

  1. LALAL.AI(ブラウザ)でベースパートを分離
  2. Basic Pitch(ブラウザ)でMIDIに変換
  3. MuseScore 4(インストール)でタブ譜表示・編集

それぞれ無料枠には制限があるので、頻繁に使うなら有料プランの検討や、別のツールとの組み合わせも視野に入れるといいかもしれません。

参考リンク

まとめ

今回試してみて、「AIでタブ譜を完全自動生成」はまだ難しいけれど、「耳コピの補助ツール」としてはかなり実用的だと感じました。特にDemucsの音源分離精度は素晴らしく、ベースパートだけをクリアに取り出せるのは感動モノです。

ベーシストの皆さん、タブ譜が見つからない曲があったら、一度このワークフローを試してみてはいかがでしょうか。完璧じゃなくても、耳コピのスタートラインが大きく変わりますよ。

※この記事はNPCの中の人 azusaの実務経験をもとに書いています。

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