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GA4 × Claude Code × MCPでアクセスレポートを自動生成した話

(更新: 2026.04.10)

SEO会社のアクセスレポート、月額数万〜数十万円払って受け取っているとしたら、それが数分で自分で出せるとしたらどうする?

大げさに聞こえるかもしれないけれど、今日それが現実になった。GA4にClaude CodeをMCP経由で接続したところ、「先週のアクセスどうだった?」と聞くだけで、アクセスレポートが自動生成されるようになった。しかもデジタル庁のダッシュボードデザインテンプレートを組み合わせることで、見た目まで整ったHTMLレポートが数分で完成した。

この記事では、その仕組みの作り方と、実際に出てきたデータ、そしてフリーランスが自分のサイトを「実験場」にすることの価値について書く。


SEO会社のレポート、自分で出せたら月いくら浮く?

Webサイトのアクセス解析レポートを外注すると、それなりにコストがかかる。月次レポートの作成・分析・提案をセットにしたSEOコンサルのサービスは、規模によって数万〜十数万円が相場だ。

もちろんプロに任せることには価値がある。専門知識、継続的な分析、改善提案——これらが一体になったサービスは確かに意味がある。ただ、「レポートを作って読む」という作業自体は、仕組みさえあれば自動化できる部分も多い。

フリーランスとして自分のサイト(n-pc.jp)を運営していると、どのページが読まれているか、どこから来ているか、先週と比べてどうかを素早く把握したい場面が頻繁にある。GA4の管理画面を開いて、日付を設定して、項目を切り替えて……という作業を毎週やるのは正直だるい。もっと楽に、かつ続けられる形で自分のデータを読み解きたかった。

GA4 × Claude Code × MCPでレポート自動生成する仕組み

今回使ったのは MCP(Model Context Protocol)という仕組みだ。簡単に言うと、Claude Codeに外部ツールを「手」として渡す仕組み。Claude Code自体はAIだが、MCPサーバーを接続することで、そのAIが直接GA4のデータを取得したり、ファイルを操作したりできるようになる。

※「MCP(Model Context Protocol)」とは、AIモデルが外部のツールやデータソースに接続するための標準的な仕組みです。Anthropicが策定したプロトコルで、対応するサーバーを追加するだけでClaude Codeの「できること」を拡張できます。

料理に例えると、Claude Codeがシェフで、MCPサーバーが冷蔵庫の中身を確認できる「目」のようなもの。MCPなしのシェフは記憶にある材料でしか料理できないが、MCPがあると「冷蔵庫を開けて実際に確認してから」料理できる。

設定に必要な3ステップ

今回の設定で実際にやったことは大きく3つだ。

  1. analytics-mcp のインストール
    PyPI(Pythonのパッケージ配布サービス)経由で、Googleが公式に提供しているanalytics-mcpをインストールする。
  2. Google Analytics Data APIの有効化とサービスアカウントの設定
    Google Cloud Consoleで「Google Analytics Data API」を有効化し、サービスアカウントを作成。そのアカウントにGA4プロパティの「閲覧者」権限を付与する。認証用のキーファイル(JSON)を取得して保管する。
  3. Claude CodeのMCP設定ファイルに追記
    設定ファイルにMCPサーバーの起動コマンドと認証情報のパスを書けば完了。次回起動時からClaude Codeがanalytics-mcpを使えるようになる。

実際のコマンドと設定ファイル

analytics-mcpのインストールは1行で終わる。

pipx install analytics-mcp

次に、プロジェクトのルートに .mcp.json を作成(または既存のファイルに追記)する。

{
  "mcpServers": {
    "google-analytics": {
      "command": "analytics-mcp",
      "args": [],
      "env": {
        "GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS": "/path/to/your-service-account-key.json"
      }
    }
  }
}

GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS の部分を、自分が取得したサービスアカウントのキーファイルのパスに置き換えるだけだ。これでClaude Codeを再起動すれば、GA4のデータに直接アクセスできるようになる。

※「サービスアカウント」とは、人間のユーザーではなくプログラムやサーバーが使うためのGoogleアカウントの一種です。特定のAPIやリソースへのアクセス権を最小限に絞って付与できるため、セキュリティ上の観点からAPI連携で広く使われています。

技術的なハードルに聞こえるかもしれないが、Claude Codeに「analytics-mcpを使えるようにしたい」と伝えると、必要なコマンドや設定ファイルの書き方を全部教えてくれる。今日の自分がかかった時間は30分程度だった。

「昨日のアクセスは?」と聞くだけで週次レポートが出てきた

設定が終わったあと、まず試しに「昨日のアクセス数は?」と聞いてみた。数秒でGA4からデータが返ってきた。次に「先週のアクセスはどうだった? 前週との比較も含めて教えて」と聞くと、セッション数・PV数・直帰率・流入チャネル・記事ランキングまでが整理されたレポートとして出てきた。

GA4の管理画面で同じ情報を揃えようとしたら、タブを何度も切り替えて、数字をメモして、比較計算して……と少なくとも15〜20分はかかる。それが自然言語一文で完了した。

実際に出力されたデータ(先週分)

実際のデータを公開する。n-pc.jpは開設してまだ日が浅いため、数字はそれほど大きくないが、変化の傾向が読み取れるのが重要だ。

週間セッション
53
+29%
週間PV
163
+43%
直帰率
31%
40% → 31%(改善)
検索流入比率
30%
22% → 30%(+78%成長)

人気記事の1位は「ターミナル初心者がClaude Codeをゼロからセットアップした全手順(Windows)」で47PVだった。検索流入が前週比で大幅に伸びているのは、記事が少しずつGoogleにインデックスされてきた証拠だと読める。直帰率が40%から31%に下がっているのも、記事の質が上がっているか、関連記事への誘導が機能し始めているかのどちらかだろう。

※ GA4の「直帰率」は旧GA(ユニバーサルアナリティクス)とは定義が異なります。GA4では「10秒以上の滞在」「2ページ以上の閲覧」「コンバージョンの発生」のいずれも起きなかったセッションを「直帰」として計算します。31%はかなり良い数値です。

これだけの情報を自分で整理して文章にしようとしたら、相当な時間がかかる。Claude Codeが「気になる部分の解釈」まで添えてくれるので、データを眺めるだけで終わらず、次の打ち手を考えるところまで一気に進めた。

デジタル庁テンプレートで見た目まで整えた

数字が出るだけでも十分便利だが、せっかくなら見た目まで整えたかった。そこで活用したのがデジタル庁が公開している「ダッシュボードデザインテンプレート」だ。

※「デジタル庁ダッシュボードデザインテンプレート」とは、デジタル庁が公開しているPower BI向けのデザインテンプレートです。7色のカラーテーマが用意されており、統一感のある美しいダッシュボードをすぐに作れる設計になっています。

今回はCyanテーマを採用した。「IT・テクノロジー系に適したカラー」という位置づけで、n-pc.jpのサイトの雰囲気にも合っている。Claude Codeに「デジタル庁テンプレートのCyanテーマで、以下のデータをHTMLダッシュボードにして」と指示したところ、以下の要素が入った1枚のHTMLファイルが数分で完成した。

  • KPIカード(セッション数・PV・直帰率・検索流入率)
  • 日別PV推移の棒グラフ
  • 流入チャネル内訳のドーナツチャート
  • 記事ランキング(上位5記事)
  • 前週比較テーブル
  • 成長戦略ロードマップ

ブラウザで開くと、SEO会社が顧客に提出するようなレポートと遜色ない見た目のダッシュボードが表示された。正直、初めて画面に出てきたときは「これが一言の指示から出てくるのか」と少し驚いた。

HTMLファイルとして出力されるので、メールに添付してクライアントに送ることもできるし、社内の共有フォルダに置くこともできる。PDFへの変換も、ブラウザの印刷機能を使えば一瞬だ。

自分のサイトが「実験場」になった価値

今回の取り組みで改めて感じたのは、自分のサイトを「実験場」として持つことの価値だ。

クライアントのGA4で新しい設定を試すのはリスクがある。設定ミスがあれば迷惑をかけるし、説明責任も発生する。でも自分のサイトなら、多少試行錯誤しても問題ない。今日のMCP連携も、最初にn-pc.jpで試して動作を確認してから、「別のサイトでも使えそう」という確信を持てた。

この仕組みは別のサイトにも簡単に展開できる。サービスアカウントに対して、追加したいGA4プロパティの「閲覧者」権限を付与するだけでいい。設定ファイルの変更は不要で、あとはClaude Codeに「example.comのGA4を見て」と言えば切り替えられる。

以前「フリーランスの自分専用AI社員チームをClaude Codeで作った話」で書いた仮想チームの仕組みとも相性がいい。チームのエージェントがGA4データを参照して、記事の改善提案まで自動で出してくれる未来も近い。

つまり流れとしては、

  1. 自分のサイトで仕組みを作って検証する(実験場)
  2. クライアントのサイトに権限を追加して展開する(本番)
  3. レポート作成の時間を削減しながら、クライアントへの提案品質を上げる

というサイクルができる。自分のスキルアップとクライアントへの価値提供が同時に進む、かなりコスパのいい一手だと思っている。

SEOのことを「自分には難しい」と感じていた理由の一つは、データを読む手間だった。GA4を開くのが億劫だと、データを見ない。データを見ないから改善できない。このループを断ち切るには、「データを見るコスト」を下げることが一番効いた。

まとめ

今回やったことと、得られたことを整理する。

  • Claude CodeにGA4 MCPサーバー(analytics-mcp)を接続することで、自然言語でGA4のデータを取得できるようになる
  • 設定は「APIの有効化 → サービスアカウントの作成と権限付与 → MCPの設定」の3ステップで、かかった時間は30分程度
  • 「先週のアクセスどうだった?」一文で、セッション・PV・直帰率・流入チャネル・記事ランキングが揃った週次レポートが出てくる
  • デジタル庁ダッシュボードデザインテンプレート(Cyanテーマ)と組み合わせることで、見栄えのするHTMLレポートまで自動生成できる
  • 別サイトへの展開はサービスアカウントへの権限追加だけで完了する

SEO会社に頼まずデータを自分で読む、というのは単にコストの話だけじゃなくて、「自分のサイトをちゃんと把握している人間になる」という話でもある。データを見る習慣が自然につくようになると、記事の方向性の判断も変わってくる。

来月は実際にこの仕組みを1ヶ月運用してみた成果報告記事を書く予定だ。検索流入がどう伸びたか、レポートを続けることで気づいたことなど、数字ベースで振り返りたいと思っている。

GA4のデータが一言で出てくる世界、慣れると手放せなくなる。

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※この記事はNPCの中の人の実務経験をもとに書いています。

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