フリーランスが3Dプリンターで始めるオリジナル商品ブランド ― 市場リサーチから商品設計まで
昔からものづくりは好き。フリーランスとして10年。Web制作の仕事はありがたいけど、労働集約型。手を止めたら収入も止まる。そこで今更ながら目をつけたのが3Dプリンターを使ったオリジナル商品の企画・販売です。
まだプリンター自体は購入前の段階ですが、「買う前にまず市場を調べて、売れる商品を設計してから動く」というのが、過去にEC事業をやっていた経験からの鉄則。今回は2日間かけてリサーチと商品設計をガッツリやったので、その過程と結果をまとめます。
なぜ3Dプリンターなのか
3Dプリンターを選んだ理由はシンプルです。初期投資が小さい(FDM方式の3Dプリンターで、3〜5万円で始められる)、在庫リスクがほぼゼロ(受注後に出力すればいい)、そしてデジタルデータさえあれば何度でも再生産できる。フリーランスの副業として、これほど相性のいいツールはないと感じました。
※ FDM方式とは、熱で溶かした樹脂(フィラメント)をノズルから押し出して積み重ねる3Dプリントの方式。家庭用で最も普及している。
3カテゴリの市場リサーチ結果
1. 楽器パーツ ― 日本市場がほぼ空白
海外のEtsyではエフェクターのフットスイッチトッパーやパッチケーブルホルダー、ギターのウォールマウントなど、3Dプリント製の楽器パーツが大量に出品されています。ところが日本のメルカリやBASEを調べてみると、3Dプリント製の楽器パーツを販売している人があまりいません(ほぼゼロ!?)。
※ フットスイッチトッパーとは、エフェクターのフットスイッチ(踏むボタン)に被せるキャップのこと。裸足やスニーカーでも踏みやすくなる。
さらに、ある大手楽器メーカーが2026年1月に純正フットスイッチキャップを発売したことで、「この市場にはニーズがある」とメーカー自身が証明した形になりました。純正品は自社製品専用ですが、3Dプリントなら他メーカーの製品にも対応できるのが強みです。
2. ペットグッズ ― 成長市場にセミオーダーで参入
ペット市場全体は2025年度で約1兆9,000億円規模。メモリアル市場に限ると年14%超の成長率という調査結果もあります。既存のペットフィギュア事業者を調べると、フルオーダーで数万円〜20万円以上が相場。納期も1〜2ヶ月かかるところが多い。
ここで考えたのが「セミオーダー方式」。ベースの形状は共通で、色・品種・名前だけをカスタマイズする。これなら1個あたりの制作コストを大幅に抑えられるし、納期も短縮できます。
※ セミオーダーとは、あらかじめ用意された基本デザインの中から色やサイズ、名前などの一部をカスタマイズして注文する方式のこと。
3. デスクギア ― 「機種別カスタムフィット」が狙い目
デスク周りのグッズは量産品が大量にあります。100均にもフックやケーブルクリップはある。でも「自分のコントローラーにピッタリ合うホルダー」「自分のモニターに合わせた裏面オーガナイザー」となると、既製品では対応しきれない。ここが3Dプリントの出番です。
特に面白いと感じたのが「モニター裏オーガナイザー」。モニターの上に引っ掛けて、裏側にコントローラー・ヘッドホン・小物をまとめて収納するモジュラー式のホルダーです。海外にはモニタ横につけるヘッドホンフック単体はありますが、モニタの裏につける一体型のオーガナイザーは見当たりませんでした。
最初に作る商品と収益モデル
リサーチの結果、最初に作る商品はフットスイッチトッパーとしてシミュレーション。これを選んだ理由は明確で、原価が5〜10円、出力時間が5〜10分、利益率が90%超。モデリングの難易度も低く、最短で商品化できます。
3カテゴリ合わせて月間50個販売を想定した場合の試算では、月商約79,000円・粗利約68,000円。本業の合間にコツコツ続けられる規模感です。初期投資もプリンター代を含めて5万円以内に収まる見込み。
まぁ、月間50個売れればの話ですけどね。あはは
逆にいうと、そういう商品を見つけたら、隙間時間でそのくらい稼げますよって話。
ブランドコンセプト「裏方パーツブランド」
ブランド名はNPC。ゲームのNPCみたいに「主役じゃないけど、いないと困る」存在。楽器パーツもペットグッズもデスクギアも、共通しているのは「主役を支える裏方」であること。この統一コンセプトで、カテゴリが違っても一貫したブランドイメージを作れます。
※ ゲーム用語でNPCとは「Non-Player Character」の略で、ゲーム内でプレイヤーが操作しないキャラクターのこと。ここではブランド名として使用。さしずめ「New Physical Creations」ってとこでしょうか。
まとめ
3Dプリンターを使った商品ブランドの立ち上げは、「買う前にリサーチ」「複数カテゴリで同時スタート」「セミオーダーで差別化」がポイント。特に楽器パーツは日本市場がほぼ空白で、先行者利益が取れる可能性が高いと感じています。次のステップはプリンターの購入と試作。またその過程もブログで報告していきます。
まぁ、まだ妄想段階です。
※この記事はNPCの中の人 azusaの実務経験をもとに書いています。