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WordPress見積もりで失敗しない5つのチェックポイント – NPC

(更新: 2026.04.10)

WordPress案件の見積もり、なんとなくで出していませんか?

フリーランスでWeb制作をやっていると、避けて通れないのが「見積もり」という作業。特にWordPress案件は、規模感がつかみにくいものが多い。

「だいたいこのくらいかな」で出した見積もりが、蓋を開けてみたら全然足りなかった——そんな経験、一度はあるんじゃないだろうか。自分も2016年からWordPress案件をやってきて、何度か痛い目を見てきた。

この記事では、WordPress案件の見積もりで失敗しないために、自分が実際にチェックしている5つのポイントを紹介する。フリーランスやWeb制作初心者の人が、同じ失敗を繰り返さないための参考になれば嬉しい。

この記事で紹介する5つのチェックポイントを先にまとめておく。

チェック1:ページ数と「動的な部分」を分けて数える
チェック2:「更新するのは誰か」を確認する
チェック3:プラグインの選定と制約を事前に洗い出す
チェック4:修正回数と対応範囲に上限を設ける
チェック5:バッファを最低20%確保する

チェック1: ページ数と「動的な部分」を分けて数える

見積もりで最初にやるべきことは、ページの洗い出し。ただし、単に「トップページ、会社概要、お問い合わせ……」とページ名を並べるだけでは足りない。

大事なのは、静的なページと動的なページを分けて考えること。

  • 静的ページ: 会社概要やアクセスページなど、内容がほぼ固定のもの
  • 動的ページ: お知らせ一覧、実績一覧、ブログなど、投稿や更新が発生するもの

静的ページと動的ページの違いを家のリフォームにたとえると、静的ページは「壁紙を貼り替えるだけのリフォーム」に近い。工程が明確で、やることが最初からわかっている。一方の動的ページは「間取りを変えるリノベーション」に近い。設計が必要で、壁を抜いたら想定外の配線が出てきた、なんてことも起こりうる。同じ「部屋を直す」でも、工数は全然違う。

2種類のページの違いを工数の観点から整理すると、以下のようになる。

静的ページ
  • 会社概要・アクセスなど内容が固定
  • HTML/CSSのコーディングが中心
  • 工数の見通しが立てやすい

動的なページには、カスタム投稿タイプやACFの設計が必要になる。静的ページと同じ工数で見積もると、確実に足が出る。

※「カスタム投稿タイプ」とは、WordPressで標準の「投稿」「固定ページ」以外に、独自のコンテンツ種類(例:「実績」「スタッフ」「FAQ」)を追加できる仕組みのこと。投稿の種類を増やして、それぞれ専用の管理・表示ができるようになる。

※「ACF(Advanced Custom Fields)」とは、WordPressの管理画面に独自の入力欄を追加できるプラグインのこと。テキスト・画像・日付など多彩なフィールドタイプに対応しており、動的コンテンツの設計に欠かせないツール。

自分の場合、動的ページは静的ページの1.5〜2倍の工数で見積もるようにしている。一覧ページ、詳細ページ、絞り込み機能など、見えない作業が多いからだ。

チェック2: 「更新するのは誰か」を確認する

これは意外と見落としがちなポイント。サイトが完成した後、誰がコンテンツを更新するのかによって、作り方がまったく変わってくる。

クライアントが自分で更新する場合

管理画面の使いやすさが重要になる。ACFでカスタムフィールドを整えたり、更新マニュアルを作成したりする工数が発生する。ここを見積もりに入れ忘れると、納品後に「使い方がわからない」という問い合わせ対応で時間が溶ける。

制作者側が更新代行する場合

月額の保守費用や更新頻度を事前に取り決めておく必要がある。見積もり段階で「更新はどうしますか?」と聞いておくだけで、後のトラブルが大幅に減る。

自分は見積もりの段階で必ず「更新は誰がどのくらいの頻度で行いますか?」とヒアリングしている。この一言があるかないかで、見積もりの精度がかなり変わる。

チェック3: プラグインの選定と制約を事前に洗い出す

WordPress案件では、プラグインの選定が工数に大きく影響する。

※「プラグイン」とは、WordPressに機能を追加するための拡張パーツのこと。スマートフォンのアプリと同じように、必要な機能を選んでインストールするだけで利用できる。ただし、複数のプラグインが競合したり、WordPressのバージョンと相性が悪かったりする場合もあるため、選定は慎重に行う必要がある。

よくあるパターンとして:

  • クライアントが「お問い合わせフォームにこういう機能がほしい」と言う
  • Contact Form 7で対応できると思って見積もる
  • 実際にはCF7では対応できず、カスタマイズや別プラグインの検討が必要になる

※「Contact Form 7(CF7)」とは、WordPressで最も広く使われているフォームプラグインのこと。シンプルなお問い合わせフォームは無料で作れるが、確認画面・ファイル添付・条件分岐など高度な機能は別途アドオンが必要になる場合がある。

こうなると、見積もりと実際の工数に大きな差が出る。

対策としては、見積もり段階で要件を具体化しておくこと。「フォームに添付ファイル機能は必要ですか?」「確認画面は必要ですか?」「自動返信メールのカスタマイズはどこまで?」といった具体的な質問を投げるだけで、想定外の工数を減らせる。

また、有料プラグインが必要になる場合は、そのライセンス費用を見積もりに含めるかどうかも事前に確認しておきたい。ACF Proのように年間ライセンスが必要なものは、誰が負担するのかを明確にしておくとトラブルにならない。

チェック4: 修正回数と対応範囲に上限を設ける

Web制作において「修正」は必ず発生する。問題は、その修正がどこまで膨らむかをコントロールできていないケースが多いこと。

自分が見積もりに必ず入れているのは、以下の3つ:

  • デザイン修正は◯回まで(自分は2回を基本にしている)
  • コーディング後の構成変更は追加費用
  • テキスト・画像の差し替えは◯回まで無料

これを見積書に明記しておくだけで、「ちょっとここも直してほしい」が無限に続くのを防げる。

「ちょっと」が一番怖い

クライアントの「ちょっとした修正」は、制作者にとっては1〜2時間かかる作業だったりする。見積もりの段階で修正範囲を定義しておかないと、利益がどんどん削られていく。最初にルールを共有しておくことが、お互いにとって一番ストレスが少ない。

チェック5: バッファを最低20%確保する

最後のチェックポイントは、見積もりにバッファ(余裕)を持たせること。

バッファを旅行にたとえると、「乗り換えに10分あれば間に合う」とわかっていても、30分の余裕を持って移動するようなものだ。ぴったりのスケジュールで動くと、電車の遅延や荷物のトラブルで一気に詰む。Web制作も同じで、想定外は必ず起きる。バッファはその「想定外への備え」として工数計算に組み込んでおくのが現実的な判断だ。

WordPress案件では、思わぬところで時間がかかることが本当に多い。具体的には:

  • サーバー環境の問題(PHPバージョン、SSL設定など)
  • プラグインの相性問題
  • クライアントからの仕様追加・変更
  • ブラウザごとの表示差異の調整
  • 既存サイトからのデータ移行

※「SSL」とは、Webサイトとブラウザ間の通信を暗号化するセキュリティの仕組みのこと。SSLが設定されたサイトはURLが「https://」で始まる。未設定だとブラウザに「安全でない」と表示されるため、現在は事実上必須の設定になっている。サーバーによって設定手順が異なり、対応に時間がかかることもある。

自分は工数を算出した後、全体の20%をバッファとして上乗せしている。たとえば40時間の見積もりなら、48時間で計算する。

「高く見積もりすぎでは?」と思うかもしれない。でも実際にやってみると、このバッファが余ることはほとんどない。むしろ、バッファを入れていなかった頃は毎回赤字ギリギリだった。

バッファは保険ではなく、現実的な工数の一部だと考えたほうがいい。

見積もりの作業は、おおよそ次の流れで進めるとチェック漏れを防ぎやすい。

ヒアリング
要件整理
工数算出
バッファ加算
見積書作成

まとめ: 見積もりは「技術」ではなく「コミュニケーション」

ここまで5つのチェックポイントを紹介してきた。改めて整理すると:

  • ページ数と動的部分を分けて数える
  • 更新するのは誰かを確認する
  • プラグインの選定と制約を事前に洗い出す
  • 修正回数と対応範囲に上限を設ける
  • バッファを最低20%確保する

見積もりがうまくいかないとき、原因の多くは技術的な見通しの甘さではなく、ヒアリング不足にある。クライアントに「聞きにくいこと」を聞けるかどうか。それが見積もり精度を左右する一番大きな要素だと、自分は思っている。

最初から完璧な見積もりを出せる人はいない。でも、チェックリストを持っておくだけで、大きな失敗は確実に減らせる。この記事が、これからWordPress案件を受けるフリーランスやWeb制作者の参考になれば嬉しい。

※この記事はNPCの中の人の実務経験をもとに書いています。

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